1年分のお茶を決める「拝見」。今年の仕上りと市場の裏側について
いつも銘茶問屋 太田園のお茶をご愛顧いただき、誠にありがとうございます。
新茶シーズンもひと段落し、工場には熱気が残る中、昨日は私たち茶問屋にとって最も重要とも言える大仕事を行いました。
4月末から5月の最盛期にかけて、産地から仕入れて大切に保管してきた一番茶の新茶。そのすべてのサンプルを一堂に集め、改めて「拝見(はいけん)」をし直したのです。


お茶の葉の形状、手触り、鼻に抜ける香りを確かめ、さらに拝見茶碗にお湯を注いで、水色(すいしょく)の美しさや奥深い味わいを厳しくチェックしていきます。
このお茶はあの製品に、こちらはあのブレンドに……と、これから1年間、お客様にお届けする商品への「割り振り」を決める真剣勝負の時間です。
■ 苦渋の決断と、今年の茶市場の背景 すでにお気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、今年のお茶市場は非常に激しい変化の中にあります。
その最大の原因が、国内外での「抹茶需要の急激な高まり」です。これに伴い、普通のお茶原料(荒茶)から抹茶の原料である「碾茶(てんちゃ)」へと生産を切り替える農家さんが急増しました。さらに、ペットボトルなどのドリンク原料としての買い占めも重なり、原料茶全体の流通量が減少、市場相場が異例の高騰を続けております。
当店でも、長年ご愛顧いただいている「川根路(100g 税込540円)」の価格帯でご満足いただける品質の原料を確保することがどうしても難しく、今年は製造を断念せざるを得なくなりました。今年は「初摘(100g 税込648円)」からのご案内となります。
いつも楽しみにしてくださっている皆様には大変心苦しいお知らせとなりますが、品質の手を抜かないための決断として、ご理解いただけますと幸いです。
■ それでも、今年のお茶は「冴えて」います! 価格面では厳しい戦いとなりましたが、お茶そのものの品質には一切妥協していません。
昨日、すべてのサンプルを拝見し直して、確信いたしました。
今年仕入れたお茶は、例年と比べても水色や色目が一際「冴えた」、非常に美しいお茶に育っています。お湯を注いだ瞬間の鮮やかな緑、そして爽やかな香りは、皆様にきっとお喜びいただける仕上がりです。
問屋の意地とこだわりをかけて、この素晴らしい原料たちを最高の状態に仕上げ、皆様のホッとするひと時に寄り添うお茶をお届けしてまいります。
新茶から始まるこれからの1年も、どうぞ太田園のお茶をよろしくお願いいたします。
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